Joey Bada$$の2017年のアルバム、ALL-AMERIKKKAN BADA$$ から Schoolboy Qを客演に迎えた一曲です。この曲に限らずアルバム全体としてアメリカに未だに蔓延る人種差別や貧困の問題について問題提起、主張をしています。(そのことから白人至上主義団体KKKの名をタイトルに入れています)
[Verse 1: Joey Bada$$]
Yeah, yeah
I said niggas pop shit all the time
いつでも俺に喧嘩を売ってくるやつはいるって言ったが
Me I don’t trip ‘cause they know I’m never lyin’
俺は正気を失ったりしない、だって奴らは俺が絶対に嘘をつかないって分かってるからな
Lookin’ between the lines
行間を読み取れ
Feel like Ali in his prime
モハメドアリの全盛期の気分だ
As-Salaam-Alaikum, alaikum salaam
アッサラームアライクム、アライクムサラーム
*イスラム教での挨拶と、その返答で、「あなたの上に平安がありますように」という意味です。
Peace to my Slimes, and peace to my Crips
俺のダチらに平安をそして俺のクリップスの奴らにも平安を
*クリップスはLA発祥のストリートギャングでブラッズと並ぶアメリカの二大ストリートギャングと言われています。Schoolboy Qは元クリップスです。
Neighborhood police and they always on the shift
地域の警察はいつでも目を光らせてる
Protect my Bloods, look out for my cuz
俺のブラッズの奴らを守ってくれ、俺のいとこを見張ってくれ
*Joey の従兄弟は2016年に射殺されました
When it's all said and done, we be the realest there was
結局のところ、俺らが一番リアルな存在なんだ
Who else if just not us?
俺ら以外には誰がいる?
*ここでの”us”は US=アメリカにもかけていて、アメリカで起こっていることへの言及を示唆しています
If you ’bout this revolution, please stand up
この革命に乗るやつは立ち上がってくれ
We ain’t got no one to trust
俺らが信用できる奴なんていない
*今の(当時の)アメリカの政府に信頼できる奴なんていない、ということです。特にこの曲が出た当時はこの後にも彼が非難するトランプ大統領が誕生した直後でした。
Time is running up, feel the burn in my gut
時間がないんだ、俺のガッツが燃えてるのを感じる
*この”Burn”はJoey が支持する政治家のBernie Sandersにかけているとも言われています
And if you got the guts, scream, “Fuck Donald Trump”
ガッツがあるなら叫べ、「クソ喰らえ!ドナルドトランプ!」
We don’t give a fuck, never had one to give
あいつが何をしようが最初から関係なんてない
Never will forget, probably never will forgive
絶対に忘れないし、許しもしないだろう
*ここでの対象はトランプという政治家や、黒人の奴隷制度や差別の歴史など
Uh, I guess that’s just how it is
あー、そういうもんなんだろうな
And they still won’t let the Black man live
それにやつらはまだ黒人が生きることを許さない
*黒人差別がいまだに根強く残っていることを訴えています
[Chorus: Joey Bada$$]
Feel the energy surge through my veins when I flow
俺がラップする時、エネルギーが血管中で沸き立つ
Mentally, I can never be controlled
俺の精神は絶対にコントロールできない
*黒人に対して敵対的、差別的な環境の中でも自分は絶対にそれに屈したりしないということ
No sympathy for foes, my enemies exposed
敵たちに同情なんてない、やつらは丸見えだ
Will they remember me when I'm gone?
やつらは俺が消えた後にも俺を覚えてるか?
I say rockabye, rockabye, rockabye baby
俺は言うさ、ぐっすりおねんねしな
*敵に向けての言葉とも取れますし、次で述べられるようにギャング活動に走る若者たちに落ち着けといっているのかもしれません
Shotta boy, shotta boy, shotta go crazy
一匹狼のギャングはおかしくなっちまう
*Shotta boyはジャマイカのスラングで悪党、または1人で全て行動する悪党を指します。
Me nuh play games, so please don’t play me
おちょくらないでくれ、俺は遊びでやってるんじゃない
Look at what they made me
見ろよ、奴らが俺をこうさせたんだ
*アメリカの社会が多くの黒人の若者をギャングや犯罪者にしてしまっていることを批判しています
[Verse 2:Schoolboy Q]
I’m part of the reason they still Crippin’ out in Brooklyn
俺の存在が、未だにクリップスがブルックリンで活動し続けてる理由の一部かもしれない
*元クリップスのメンバーであり、有名ラッパーである彼が曲のなかでたびたびそうしたギャングの生活をラップしていることがギャングに入る人が居続ける理由の一つかもしれないということです
Before I was an artist I would book ’em, mm
アーティストになる前はよくあいつらに色々させてた
Push ya shit back while on them front line, n**ga, ya lunch time
最前線にいる間は引っ込んでな、お前は昼ごはんのお時間だ
I’m by them stop sign, you love that wi-fi
俺は一時停止の道路標識のそばにいる、お前はWifiが大好きだもんな
*インターネット上で強がっていて実際には家にこもっている人が増えている中、Qが実際にストリートに出ていることを主張しています
On mamas for them dirty dollars, brains on collars
誓うぜ、汚れた金は脳天をぶち抜く仕事で稼ぐさ
Park the car around the corner, I'll be there in a second
車は角を曲がったところに停めろ、すぐそこに行くから
The murder weapon on me, fuck if this bitch start flamin'
凶器は俺が持ってる、この女がキレ出したらヤってやる
The cops patrollin', get that punk ass American flag ceremony
サツがパトロールしてる、アホみたいなアメリカ国旗祝賀会でもやってる
Aww, damn am I going too far?
あーちくしょう、俺はもう引き返せないのか?
Give you some flavor to borrow
説明を付け加えておくか
Bitch yeah it came with the car
サツは車に乗ってやって来た
It's off-white, leveled the hard
オフホワイトさ、高難易度だろうな
*潔白とは言えないため無実を証明するのは難易度が高い、ということだと考えました
You ball, might come with a “charge”
いい生活を見せようもんなら何をされるか分からない
*ball もしくはballingはバスケで上手くプレーすること、もしくは裕福な生活をすることを表していて、chargeはバスケのファール、や代価、さらに強盗のスラングにもなっています。
Your kids don’t know you no more
子供たちはもうお前のことを知らない
Your girl’s draws stay on the floor
娘の描いた絵も床に散らばったままだ
No phone call accepted in weeks
何週間も電話は許可されない
Your son picked up on your beef, real shit
お前の抗争が息子をこの世界に入れたんだ、本当にクソだ
*ギャング活動により捕まった父親の子供たちは経済的に厳しく、父親の不在も相まって同じような犯罪の道に進んでしまう、という負の連鎖を嘆いています
From gettin’ lynched in field into ownin’ buildings
畑でリンチされてたのが今じゃ自分の建物を持てるように
Getting millions, influencin’ white children
何百万と稼いで、白人の子供たちに影響を与えてる
And oddly we still ain’t even
でも奇妙なことに俺らはまだ対等になれない
*黒人が奴隷だった過去から、今では成功する黒人も多くなって来ました。しかしそれでも未だ黒人全体としては白人より下という扱いが残ったままです。
Still a small percentage of blacks that’s eating
食っていけてる黒人は未だ少ない割合だ
Same routines, the same dope fiends
同じルーティーンに同じヤクの売人仲間
Them nightmare dreams, forever murder season
永遠に続く殺しの季節という悪夢
Bad intentions to them picket fences
奴らのピケットフェンスに対しての悪意だとよ
*黒人、特にQのような人たちは郊外に住む白人たちへの脅威であると、真偽にかかわらず認識されています。その郊外に住む白人たちの黒人への差別意識の象徴として白く塗られたピケットフェンスが挙げられることがあります。
They gave us guns but won’t hire us, nigga?
俺たちに銃は与えるのに仕事は与えないんだよな?
So we killin’ senseless
だからは俺たちは意味なく殺しを続ける
*貧しく、仕事にもつけず、銃だけがあるとき、黒人はギャング活動をすることを余儀なくされます
Homies murked on the bus benches
ダチがバス停のベンチで殺された
Retaliation ‘cause his mama cryin’
あいつのママが泣いてる、報復が必要だ
Kept it gangsta ’til I modify ’em
奴らの修正が完了するまではギャング式でいないと
Rockabye, rockabye
ぐっすり永遠におねんねしな
*上で述べられたような意味のない殺しが殺しのサイクルを生んでいる様を表現しています。
[Chorus: Joey Bada$$]
Feel the energy surge through my veins when I flow
俺がラップする時、エネルギーが血管中で沸き立つ
Mentally, I can never be controlled
俺の精神は絶対にコントロールできない
No sympathy for foes, my enemies exposed
敵たちに同情なんてない、やつらは丸見えだ
Will they remember me when I'm gone?
やつらは俺が消えた後にも俺を覚えてるか?
I say rockabye, rockabye, rockabye baby
俺は言うさ、ぐっすりおねんねしな
Shotta boy, shotta boy, shotta go crazy
一匹狼のギャングはおかしくなっちまう
Me nuh play games, so please don’t play me
おちょくらないでくれ、俺は遊びでやってるんじゃない
Look at what they made me
見ろよ、奴らが俺をこうさせたんだ